はじめに
デリバリー業界のリーディングカンパニーである株式会社出前館は、私たちの生活をより豊かに、より便利に変えてきました。急成長の土台となっているのは、従業員の働きやすさを追求する企業文化です。
しかし同社は、出張管理における多くの課題を抱えていました。
ブラックボックス化した出張実態、従業員の立替精算負担、そして災害時における従業員の位置情報把握の難しさ、これら課題を解決すべく、同社は『AI Travel』の導入を決断。その結果、業務効率化や出張の内訳把握、妥当性の可視化を実現できました。
今回は『AI Travel』の導入背景や効果について、同社コーポレート部 総務グループ グループマネージャー北村高宏様と、IT本部 情報システム部 IT戦略グループ グループマネージャー足立隆裕様にお話を伺いました。
出張管理のブラックボックス化が引き起こした課題とは
株式会社出前館は、フードデリバリーサービスの進化とともに事業規模を拡大。従業員数が増加するに比例し、全国各地への出張も増加し続けていました。しかし、その事業拡大とは裏腹に、以前の出張管理はブラックボックス化していました。
「出張は営業部門を中心に行われているとコーポレート部側でおおわく認識していたものの、その実態把握は困難を極めていました」と北村様は語ります。出張に関する情報は各部署で管理されていたものの、全社レベルでのデータ収集や分析はできていなかったのです。
こうした管理体制は、様々な問題を引き起こすこととなります。具体的には、従業員の高額な立替精算による負担増や、不正利用のリスクです。
例えば、本社から子会社のある鹿児島への出張が発生すると、平均で10万円ほどの費用が発生しますが、今までは一旦個人が費用を負担する立替精算制度で運用がされていました。「一時的とはいえ、高額な出張費を個人に負担させる点を、コーポレート部でも課題視していたのです」と北村様は話します。
さらに、出張状況(ルートや移動時間、滞在先)を正確に把握できないことは、非常時の従業員の安全管理において大きな課題となっていました。加えて、立替精算には不正リスクが伴う点も懸念されます。こうした複数の問題を背景に、上層部からシステム導入の指示が出たことをきっかけに、出張管理システム(ビジネストラベルマネジメントシステム、以下BTMシステム)の導入を本格的に検討し始めたのです。
UIとシングルサインオン機能で選ばれた『AI Travel』
ブラックボックス化していた同社の出張管理体制。その状況を打破するために、出前館はBTMシステムの導入を検討し、最終的に選んだのが『AI Travel』でした。その決断の裏には、出前館ならではのこだわりがあったのです。
システム導入に先立ち、当時足立様を中心とした情報システム部門は、複数のBTMシステムの比較検討を進めました。しかし、「なかなか求めるサービスにたどり着けなかった」と、足立様は当時を振り返ります。
5社のBTMシステムから選定を進めたものの、他社サービスの多くは「出張手配サービス対応型」であり、出前館が求めるデータ管理や分析機能、社内管理工数の効率化、ガバナンス面での強みを十分に備えていなかったのです。足立様の中には「より現代的なビジネス環境にフィットするシステム」のイメージがあったものの、それに合致するサービスにはなかなか出会えませんでした。
そんな折に見つけたのが、『AI Travel』です。
「他のサービスとは明らかに違っていました。UIの使いやすさやレポート機能の充実度、シングルサインオン機能への対応など、総合的に判断して最も優れたシステムでした」
足立様は、導入を決断するにあたって迷いはなかったと語ります。
導入に際し、シングルサインオン機能は当初から出前館にとって譲れない条件の一つでした。この機能があればIDとパスワードの管理をしなくて済み、煩雑なログイン手続きから解放さると同時に、セキュリティリスクの低減にも貢献可能です。
出張費用の部門別・拠点別の比較や、航空券や宿泊の予約動向を可視化することで、無駄なコストの発見や社内ルールの改善につなげられる機能が十分に備わっています。
さらに、利用状況をダッシュボードで一目で把握できるので、管理者による確認や把握もスムーズにでき、同社の課題解決を後押しできる造りになっていました。
出張管理の負担を減らし出張費用の可視化を実現
『AI Travel』が出前館に導入され、同社の出張管理には大きな変化がもたらされました。もともとは各自が個別に旅行サイトや代理店を利用して出張手配をしていましたが、『AI Travel』に統一したことで、コーポレート部側での管理がしやすくなりました。なかでも特に効果を実感したのが、【出張費用の可視化】と【立替精算の削減】。『AI Travel』によって出張手配の一元管理が可能となり、従業員がどのような目的でどれくらい出張しているのかが見えやすくなっています。「不正リスクに対するチェックの負担が大幅に軽減できました」と北村様は語ります。
またシステム導入後、出前館の立替精算の件数は、8~9割減少しました。『AI Travel』の導入により、出張費用は『AI Travel』経由で会社からの一括請求書払いになります。従業員が自分で費用を立て替えて、領収書をスキャンして経費申請する手間も、経理部門での個別処理もなくなり、負担は大幅に軽減されたのです。
【出張費用の可視化】と【立替精算の削減】が達成されたことで、当初あった災害時における安全管理もカバーできました。「総じて従業員満足度の向上に寄与することができ、『AI Travel』は大きな効果を果たしています」と北村様はいいます。
出張管理の可視化と負担軽減を求める企業に最適
「既存の出張管理システムに不満がある企業には、ぜひ『AI Travel』を試してほしいですね」という足立様。システムの使いやすさや機能面に課題を感じているなら、導入によって業務効率や統制の強化につながるはずだと語ってくれました。
また北村様は「営業担当の出張が頻繁に発生し、少しでも彼らの出張における事務処理工数や立替負担を減らしたい担当者の方には、すごく役立つと思います」と、自身の経験を照らし合わせて話します。
出前館が取り組んだ変革は、同じような課題を抱える企業にとって大いに参考になる取り組みです。とくに、出張管理の効率化や従業員の負担軽減、安全管理の強化を目指す企業には、『AI Travel』が心強い選択肢となるでしょう。
『AI Travel』導入前後の業務フロー